足柄山出身、幼名・金太郎で有名な坂田公時（金時）は、

源頼光の四天王としても有名で、

今回の演題「土蜘蛛退治」も頼光の危難を救った逸話のひとつ。

大和国 葛城山に古くから住む天下を狙っている蜘蛛の精がおり、

ある時、源頼光が病に伏せった際に、この蜘蛛の精が毒を盛った薬を

差し出し、倒れこんだ頼光に襲い掛かろうとする。

しかし、逆に頼光によって伝家の宝刀「膝丸」で一太刀浴び、

蜘蛛の精は根城にしている葛城山に逃げ込んだのだった。

頼光は我が身を救った宝刀・膝丸の剣を「蜘蛛切丸」と改め、

四天王にこの刀を授け蜘蛛征伐を命じたが、

四天王の一人・坂田公時が蜘蛛の精の繰り出す妖術に応戦、

ついに蜘蛛の精を退治する、という逸話である。

山車には、かつての江戸・山王祭の山車で曳き出された

坂田公時の土蜘蛛退治と同じ構図で、

土蜘蛛退治をする公時の姿を飾る。